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ぼくだよー
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夏の夜の 神社に響く 下衆な声
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ファミ通文庫の「文学少女」シリーズの話。
いやー、面白いですねーこれ。

毎回登場する人物や主人公が、鬱屈した悩みを抱えてたり、
それらの人物を取り巻く状況が事件性を孕んでいて、
そこに様々な「文学」を上手く絡めてたりして、
最後が微妙にハッピーエンドで終わらないあたりが実に僕好みです。

語り手の恋愛模様も中々進展しないもどかしさがありながらも、
ゆっくり確実に進んでいって、
描写も甘辛酸っぱ苦くて、読んでてなんとも言えない気持ちになります。

ここで注目したいのが、
この本の主人公「天野遠子」についてですね。
この主人公、自らを文学少女と名乗るんですがね、
見た目は長い三つ編みに透き通るような白い肌の純和風な美少女で、
胸はぺったんこなセーラー服がよく似合う、まさに古風な文学少女のイメージです。

そして、この主人公の主食は本です。

ん?も一度言いましょうか?本です。

まぁ、正確には本ではなくそこに書かれた文章、つまり物語なんですね。

この物語を食べた後の、主人公の感想がとても良いんです。
普通のレビューや感想とは一線を画した、
ストーリーを様々な食べ物に置き換えて紡ぎだされる言葉は、
とても繊細で美しく、その光景が思い浮かぶほど詳細で鮮明なんです。

この部分だけでも読む価値はあります。

この作者が「赤城山卓球場」とか書いてるときは、
正直、ツマランとか思っていたんですが、これはマジで面白いのですよ。

小説が好きな人は一度読んでみることをオススメします。
線の細いイラストも作品の雰囲気をよく表していて素敵です。


冬のこたつのお供にどうですかー?


それじゃこの辺で。


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